スロバキア政府が中華民国(台湾)に無償提供したアストラゼネカ製新型コロナウイルスワクチン16万回分が26日午前、無事台湾に到着した。衛生福利部疾病管制署(台湾CDC)の周志浩署長、外交部(日本の外務省に相当)欧州司の陳詠韶副司長(欧州局副局長)、スロバキア経済文化弁事処のMartin Podstavek代表とMichaela Šuláková副代表が台湾桃園国際空港(台湾北部・桃園市)に駆けつけ、はるばるスロバキアから届いたワクチンを出迎えた。外交部は「スロバキア政府と人民からの惜しみのない善意だ」として心からの謝意を表明した。以下、外交部が26日に発表したプレスリリースの内容。
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スロバキアは我が国にとって中東欧における固い民主のパートナーであり、両国は自由、民主、人権といった普遍的な価値を共有している。感染症との戦いに向けた両国の協力は中央政府から地方自治体へと及び、両国の人々の友情をしっかりと結び付けている。とりわけスロバキアがこのほど我が国にワクチンを提供するにあたり、同国の外務省、経済省、厚生省などはこれを特に重視し、我が国を「非常に重要な友好国(Very important friendly country)である」と強調した。
また、我が国の衛生福利部(日本の厚労省に類似)、外交部、そしてスロバキアの駐台代表処(スロバキア経済文化弁事処)が互いに調整して関連の法的手続きをクリアするなど、両国は政府間の緊密な連携によって共同で感染症に立ち向かおうとする決意を再度示したことになる。
行政院農業委員会林務局(日本の林野庁に相当)の出版した台湾の先住民族・アミ族出身の作家、桂春・米雅の手による絵本『樹上的魚』(樹の上の魚)は両国の文化交流メカニズムを通じてスロバキア語版となった。そしてスロバキアの書店に並び、友情と助け合いの力強く大きな力を伝えている。今回、スロバキアが(当初の予定から)数倍大きな思いやり(※)で台湾に届けた温もりはまさにこの絵本のようであり、はるか遠くに離れていても、台湾とスロバキアは一緒に世界により大きな「善のサイクル」を生み出せることを証明しているのである。
※ スロバキアは今年7月にワクチン1万回分の提供を発表していたが、結局16万回分を無償提供した。